建設業の労災事例
プロパンガス集中配管設備の配管を掘削した中、噴出したガスにより酸素欠乏症
住宅の敷地内を掘削し、プロパンガス集中供給設備のガス配管接続作業で発生しました。
この作業は、住宅地のプロパンガス集中供給設備の地中配管が老朽化したため、主管と引き込み管の取り替え工事を行ったところ、埋め戻し後に一戸だけガスが出ないことが判ったため、引き込み管と家庭内配管の接続場所を掘削し繋ぎ換えを行っていました。
被災者はプロパンガスの販売を行う事業場の下請け一人親方です。
ガス配管工事の資格である「液化石油ガス整備士」と「簡易ガス事業調査員」の資格を有しているが、通常は工事の監督と検査の立ち会いを行っています。
災害発生当日、被災者は災害発生場所で掘削作業者2名に掘削場所の指示を与え、現場を離れました。
掘削作業者は、家の中のコンクリートを剥がし、スコップで地面を約1m掘削しガス管の接続部を露出させました。
昼前に、被災者から掘削作業者に携帯電話で食事に行って1時に戻るように指示がありましたので、現場を離れ1時に現場に戻ったところ、切断された引き込み管からガスが噴出しており、被災者が穴の中で意識を失っているのが発見されました。
木造住宅の解体作業中、梁が落下して作業者が転倒
木造住宅の解体作業中、丸太梁が急に落下し、作業者が抱えていた金属パイプに当たって、作業者が転倒しました。
災害発生当日は、一人親方AとBの2名で木造平屋建て資材倉庫の解体作業を行っていました。
解体する住宅は、隣接する住宅と梁の一部が連結していたので、その連結を外すため、チェーンソーで梁を切断する必要がありました。
チェーンソーによる梁の切断は、具体的な作業方法が決められておらず、現場にいたAとBの話し合いで、まず梁を完全に切断せずに切り込みを入れた後、ロープで縛って引き倒すこととしました。
また、作業の分担は、Bが踏み面のない「ウマ」を脚立の代わりとしてこれに上りチェーンソーで梁を切断し、Aが地上で切断の補助をすることにしました。
Bが梁に切り込みを入れた後、補助をしていたAが、転がっていた金属パイプを抱え、これで梁を下から突いて落とそうとしたとき、突然、梁が落下してAが抱えていた金属パイプに当たり、Aは転倒して被災しました。
コンクリート打設中、フラットデッキが抜け、墜落
3階エレベーターピット床のコンクリート打設中にフラットデッキが抜け、一人親方が2階床フラットデッキに墜落、さらに2階のフラットデッキも抜けて1階床に墜落したものです。
災害発生現場は、地上20階、地下2階のビル新築工事現場でした。
災害発生当日はエスカレーターピット床スラブの打設作業を行っており、3階床から1.2m下がった位置で鉄骨梁の下フランジにフラットデッキをかけわたしてした。
圧送工1名、土間工(一人親方)がエスカレーターピットに下りてコンクリートの打設作業を開始しました。
12:20頃、土間工(一人親方)がコンクリートの均し作業を行っていたところ、フラットデッキの片側が外れて、打設したばかりのコンクリート及び配筋とともに崩壊し、ピット内で作業していた土間工(一人親方)4名と圧送工1名が崩れたコンクリートとともに転落し、フラットデッキ下部に張られていた落下防止ネットを突き破り、さらに2階デッキプレートも突き破り、養生敷き鉄板上に墜落しました。